令和7年11月13日(木)から14日(金)にかけて、関東地区電気エネルギーを考える委員会主催の施設見学会が開催されました。
本年度は、再稼働を目指す原子力発電所を視察、課題を把握することで、エネルギーを取り巻く諸問題に目を向けつつも、エネルギー施策、ひいてはエネルギー自体への向き合い方を消費者へ発信できる指導者を育成するため、実施いたしました。
1日目は、今まさに再稼働に向け準備を進める「柏崎刈羽原子力発電所」に赴き、発電所を取り巻く施設や備えの数々を視察いたしました。
当日は、奇しくも花角新潟県知事の同発電所視察日の前日という、大きな節目の時期に見学会の実施が叶い、再稼働の容認か否か、県知事の判断材料ともなり得る柏崎刈羽原子力発電所の現状を確認することができました。
発電所の視察にあたっては、入構許可証の確認に始まり、見学車両の下までもチェックする厳重なテロ対策のもと入構を許可され、現在も工事が進むエリア含め、高所に設けられた淡水貯水池や大容量送水車と放水砲、多数の消防車や電源車、更には海側の防潮堤や建物周りの防潮壁から耐震強化で支柱の増えた排気筒に至るまで、ありとあらゆる『備え』を視察することができました。
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非常に印象的であったのが、福島第一原子力発電所での事故から得られた教訓として語られた「常に想定を超えてくる」との考え方でありました。
この思想のもと、防潮堤は想定される津波の高さの2倍近い高さとなり、これで防げなかったことを想定しての各建物の浸水防止措置があり、仮に浸水を防げなかったとしても、電源や冷却手段を別に確保してある等、一種執念にも似た対策が講じられておりました。
本視察会を通して、万全を期して再稼働に臨むという、発電所側の強い意思と確かな行動の成果を折よく確認できたことは、後の視察を経て再稼働容認に至った県知事と、極めて近い視座に立ち、その結果を地域社会へ持ち帰ることができたという意味で、大変意義深いことでありました。
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2日目には、小千谷市の「おぢや震災ミュージアムそなえ館」を視察いたしました。
当該施設は、平成16年10月23日に発生した、新潟県中越大震災で得られた教訓を後世に伝える学習施設であり、当時の揺れの体験や、再現された避難所の様子等を視察することができました。
ライフラインが寸断された、当時の避難生活のようすや、さらに引き続き豪雪による二次災害など人々の記憶に刻まれた惨状を目の当たりにしました。
同震災から21年の月日が経ちましたが、過去の艱難辛苦に思い馳せ、仮に事故が起きてしまった場合には避難を余儀なくされる原子力発電所の再稼働に、不安を覚える方もいらっしゃるのではないかと考えさせられました。
また、寸断されたライフラインの復旧までに要した時間についての説明があった際、最も速く復旧されたものが電気であったことには、電気が最早人々の生活に欠かすことのできないライフラインであること、そして有事には日常生活の復旧の最前線を担うのが電気工事業者であることを改めて実感し、非常災害時における復旧作業を主とした技術競技大会の開催を継続することの意義に、業界団体として身が引き締まる思いでした。
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2日間の視察を終え、関東地区電気エネルギーを考える委員会委員各位には、今回の視察会を通して学んだ、正しい知識を、広く地域社会に周知啓発いただきたいとし、同委員会主催の施設見学会は閉会いたしました。






