「関東地区電気エネルギーを考える委員会主催の施設見学会が開催されました」

 令和5年11月9日から10日にかけて、関東地区電気エネルギーを考える委員会主催の施設見学会が開催されました。
 本年度は、震災から12年が経った今、福島第一原子力発電所の現状の取組を把握することで、正確な情報を発信できる指導者を育成するため実施しました。

 1日目、最初の視察地である「廃炉資料館」にて、震災発生当時原子力発電所に何があったのか、映像資料にて学びました。
 映像資料の中で触れられた「安全に万全を期していると思い込んでいたが、驕りと過信に過ぎないと思わされた。事前に予想できない規模の天災と片付けてはならないと肝に銘じ、反省と教訓を胸に復興と廃炉に全力を注ぐ」という一連のフレーズには、並々ならぬ決意が感ぜられました。

廃炉資料館

 その後、「福島第一原子力発電所」へ移動する際には、富岡町や大熊町等の道中の自治体における帰還者数や、自宅前にもバリケードが張られていたかつての状況等、説明を受けながら、復興に向け歩みを進める帰還困難区域の今の姿を目の当たりにしました。

大熊町(道中)

 発電所に到着の後は、使用済みのタンクや報道でも話題となった凍土壁等について説明を受け、爆発した原子炉建屋を一望しながら、廃炉に向けたこれまで、そしてこれからについて詳細な説明を受けました。
 当然のことではありますが、説明を受けている間も建屋周りでは作業が継続されており、今この時も、現場は廃炉に向けて動き続けているということを実感いたしました。

福島第一原子力発電所原子炉建屋前

 建屋前を後にし、今年の8月より放出が始まったALPS処理水についての説明を受けました。
 説明の場では、容器に入った処理水のサンプルを手に取りつつ、処理の過程でどの放射性物質がどれだけ減少し、最終的に放出されるまでを、詳しく説明いただきました。

ALPS処理水のサンプルを手に取る嶋野会長

 1日目の一連の見学を経て、廃炉に向けた壮大なプロジェクトと着実な歩みを確認しました。

特定復興再生拠点内

 2日目は、今後の廃炉作業にて燃料デブリ取り出し等を担う、ロボットアームの実証試験の拠点となっている「楢葉遠隔技術開発センター」を視察しました。

 はじめに、最新のVR技術を用いて再現された、原子炉建屋内を巡りました。
入り組んだパイプや階段は勿論のこと、手すりの錆に至るまで綿密に再現された建屋内を、その場にいるかのように確認することができました。
 この再現の中では、資機材を実物大で出現させることができ、実際の作業イメージを得るうえでは大変分かりやすく、廃炉作業に関わらず今後多くのシーンで活躍する技術であると感ぜられました。

 その後は、巨大な試験棟に移動し、角度変更可能な階段や試験用水槽等、様々な条件でロボットを動かす施設を見学しました。
 当日はタイミングよく、実作業に投入予定の実機を見学することができ、作業規模の大きさを実感しました。

楢葉遠隔技術開発センター前

 2日間の見学会を終え、関東地区電気エネルギーを考える委員会委員各位には、今回の視察会を通して学んだ、今も風評被害に苦しむ被災地の状況、そして復興・廃炉に向けた歩みの正しい知識を、広く地域社会に周知啓発いただきたいとし、同委員会主催の施設見学会は閉会いたしました。